
子供の誕生、成長は親にとってはとてもうれしい事です。
住まいにとっては、家族の人数が増え、部屋数が足りなくなったり、子供が大きくなることで手狭になることは当然のことだと思います。
子供が成長すると、今までは気にすることもなかった趣味や習い事などで使用する道具の置き場も新たに必要になってきます。
ご相談を頂く『リフォームの事由』はこれが最多です。
(その他の『リフォームの事由』では『故障・破損』『古くなったから更新=見栄え』が多いです。)
戸建て住宅で敷地に余裕があれば、増築(=増坪)が検討できますが、マンションのような共同住宅では、床面積を増やすということは、かなり難しいです。
そこで検討するのが間取り変更です。『子供が独立して夫婦二人になったので、趣味の部屋を作りたい』というご相談であれば比較的容易にご提案させて頂くことができるのですが、『家族の構成は変わらず部屋を増やしてほしい』というご要望は至難の業です。少し考え方を変えて頂く必要も出てきたりします。
今回のお施主様も収納場所にお困りというお話でした。
★『大きなファミリークローゼットを作って欲しい』

先ずは、現状の間取りを書き起こし、導線を検討し、設置する為に最適な場所を探します。最適な場所が決まると各部屋から少しづつスペースを集めて参ります。その際に私が一番気を付けるのが家具の配置です。ただ小さくしただけでは家具が入らない可能性もあります。その部屋を『誰が』使用されるのか?が、とても重要になります。お子様が使用されるのであれば、ベッド、勉強机などの使用が想定できます。導線を検討しながら慎重に作業を進めて参ります。そしてできあがったウォークインクローゼットがこちらです。



洗濯機で洗濯して、ハンガーに架けて干す。乾いたらそのハンガーごと、ハンガーパイプに架ける。こうすることで『洗濯物を畳む』という家事が一つ減ります。共働きのお忙しいご夫婦にはおススメです。元々はクローゼットや、部屋の一部であった場所に、ご希望のウォークインクローゼットを設置致しました。マンションの場合、どうしても中の部屋は換気が難しくなり、カビ等が発生しやすくなります。換気対策として、天井に換気扇を設置させて頂きました。
★奥様のご希望『対面キッチン』。

施工前のキッチンの様子。実際に掃除が行き届き、とてもキレイにお使い頂いておりました。だた、マンションの新築から考えると相当の経年劣化はありました。
リフォーム完了後の写真。奥様ご希望のスッキリとした対面キッチンとなりました。




照明器具も、天井埋め込みの蛍光灯からダウンライトに変更。手元はライティングレールにすることで、スポットライトを好みの台数設置することができます。シンプルになりすぎないよう天井は木目のアクセントクロスとしました。

マンションには大きな構造の柱があり、デッドスペースになることがあります。今回はキッチンにできたデッドスペースを造作を製作し少しでも活用できるようにいたしました。
★子供たちは『自分の部屋』が欲しい

ファミリークローゼットを造る為に、部屋を一回り小さくする必要がありました。間取り変更し、コンパクトになった部屋で過ごすイメージがとても大切になると思います。学校の制服はどこに収納するのか?かばんは?机は?ベッドは?色々検討することがあります。

家具の配置も検討し、更にしっかりと収納も取る。これが、私が提案させて頂いた答えです。前述のように、建物全体が大きくなることは有りません。ですので、モノの寸法を研究し、最小限とし、間仕切りの壁の厚さも、最小限とすることで少しでも、収納スペースを確保するようにデザインさせて頂きました。
★和室を洋室に変更して『ベッド』を置きたい

よくあるマンションの間取りとしてLDKの横に和室があります。和室の役割としては『客間』といったところでしょうか?
畳の部屋の良いところは、『布団』を押入に出し入れすることで、部屋の用途が変わるといった可変性です。難しい言い回しをしましたが、布団を出すと寝室に、布団を片付けるとリビングの延長となると言えば分かりやすかも知れません。
和室は畳の柔軟性のおかげで、フローリングと違い、床に直接布団を敷いても、身体に負担が掛かりにくいという利点があります。逆に、畳の弱い表面を傷つけてしまう為、家具等は置きづらいという欠点もあります。お年寄りがベッドの生活を選ばれるのは、重い布団の出し入れが身体的な負担になるという理由が多いと考えられます。
将来のことを鑑みると、和室から洋室に変更することは悪い選択ではないと、個人的には考えています。
また、子供が独立して部屋が余った場合、リビングを大きく使うことができたりもしますし、子供たちが孫を連れて帰ってきた際にも、みんなで食卓を囲んだりすることができると思います。
ということで今回は、お客様のご要望もあり和室から洋室に変更させて頂きました。

今回、YKKAP社のアルミのパーテンションを使用し緩く間仕切りさせて頂きました。パーテンションを開け放つとフローリングが繋がっている為、一つの空間に見えます。
引戸は自体が、開き戸と比べると気密性が劣ります。その特性を逆に活かし、マンションの中部屋の換気が難しい部屋には最適な建具だと考えております。


アルミパーテンションを開いた状態と閉じた状態。来客時に寝室が見られるのを防ぐ役割を持たしております。

寝室の中から見た様子。リビングに入る光を透過し、寝室も明るくなります。今後、お客様が視線や、明るさが気になることを想定して居られるため、ご自身で建具の上部にブラインドを設置できるように、あらかじめ下地を入れてあります。
★リビングにも『収納』が欲しい
新築でもそうですが、リビングを大きく見せる為に、リビングに収納がある物件が少ない気がします。しかし、パントリーもさることながら、書類などを収納するスペースがかなり限定されているのが現状だと思います。平成初期のマンションであれば、電話置場と思われるカウンターの、上下にコンパクトな収納があったりしました。LDKで使用するには、少々容量不足だと思います。


そこで今回は、寝室を少しコンパクトにして廊下・通路から使用できる収納を設置しました。廊下からリビングまで壁一面の収納を製作させて頂きました。
★少しでも『家事の負担』を減らせる便器

一度リフォームされていたと思われる既存のトイレ空間。可もなく不可もなくですね。(少し気になるのはトイレの中で手が洗えない事です。個人的には、手を洗わないでドアノブに触るのか?と思うと少し気になります。)
せっかくですので、日ごろの家事の負担が少しでも軽減できるよう、TOTO社のレストパルF Ⅰ型をご提案させて頂きました。それがこれです。

便器自体が床に接していない為、、汚れが気になる便器と床の取り合い部も簡単に掃除できます。更に、私が気になっていた手洗い器も設置されました。
今回のリフォームについてまだまだ拘りの部分が在りますが、今回はこの程度で終了としておきます。リフォームはできることにも限界はありますが、アイデア次第でより良いモノが出来上がって来ます。
私が思う良いリフォーム業者とは
『プロとして、お客様の未来が想像、熟孝、ご提案できる業者』
だと、思います。初めてリフォームを行うお客様から言われたことを忠実に行うだけでなく、プロとして今までの経験を元にお客様の未来を想像し、良い悪いを、しっかりと伝えることができることが大切だと思っております。
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