さて、始まってしまいま・・・。もとい始まりました。 京都府向日町 夢商人 内装デザイン。 今回工事は当社では行わないのでデザイン、設計を担当しています。 元々、飲食店を営んでいた建物であったようで『使える物は使う』という方向で進んでいきます。 デザインコンセプトは『モダンでない地元の居酒屋』。 大体、今の時代京都の町屋もモダン嗜好なのに、モダンでないなどと不可能に近いことを・・・。 予算が厳しい為新建材を使用します。新建材を使うことで施工費は落ちます。 しかしどうしてもモダンな感じになってしまいます。だって世の中が求めているモノは『モダン』なのですから、メーカーさんも『売れるモノ=モダン』を創りますよ。 一応ご要望は承りデザインを行いパースを作成します。




こちらの夢商人さんはカウンターがメインの業態で営業されています。
しかし、元あったお店はには同じ飲食店でもカウンターがなく『座敷』でご商売をされていたようです。
まずは、カウンターのデザインから入ります。
現場で寸法を取り図面化していきます。元々ないところにカウンターを付ける。一見簡単そうに見えますが、カウンターの幅、奥行、高さなどの設定には細心の注意を払ってデザインしていきます。
カウンターの幅は客席の数に影響します。1席あたりの幅を狭くすると居心地の悪い空間になりますし、広すぎると、店側のオペレーションや通路に問題がでます。
カウンターの奥行は食事のしやすさや配膳される食器等に影響がでます。奥行が深すぎると、店主とお客様の距離感が出過ぎたり、背後の通路との取り合いの問題が出たりします。
狭すぎると、食事に不便を感じることでしょう。
高さはお客様の視界に影響しますが、常識の範囲であればそう問題は出にくいです。しかし余り一般的でない高さにするとカウンターの椅子を選ぶときに苦労するでしょう。

カウンターのデザインが決まると後は細かい指示をしていきますが、今回は当社で施工しない為できるだけ現場で混乱が生じないように細かく指示を記載しておきました。
照明の位置、使う器具、便器の型番、手洗いの高さなど・・・。
これもいい経験です。普段だと、現場に訪れて『ここでいこう』と済むところが簡単には行かないと痛感しましたね。
大体、大まかにデザインしたところで、時間を造りいざ京都へ・・・。

新幹線の中でもノートパソコンで図面をチエック。
最近の新幹線は窓側の座先にはコンセントが設置されていて電源が使えます。
着工段階で必要そうな寸法をいれていきます。
京都に到着し店主と現場打ち合わせ。
その後、業者さんと顔合わせ。う~ん・・・。難しい部分がやっぱりあるな~っと。
しかし、今回大工工事をやってくださる大工さんは、普段、京都の町屋の改装を行っているという方らしく期待してしまいました。
これで1回目の京都打ち合わせは終了。
そして、東京に・・・。
それから、『着工した』とか『ここどうする?』など電話で打ち合わせをしていました。
そして2週間後、再び京都へ・・・。





『なんということでしょう』。現場では、すでにカウンターの下地が完成し、着実に工事が進んでいました。
少し出遅れた感を感じながら大工さんの仕事を手伝いながら(邪魔しながらか・・・)仕事を見せてもらっていました。
すると、東京の建築現場では見かけない『箱』があり『これはなんですか?』と思わず聞いてみると
『プレーナーですわ』と。
(え?プレーナーって製材所で使わせて頂くものでは?)
『ぼくら、町屋の改装やってますから、昔の材料を現場で製材しな収まらんとき多くて一人一台もってますよ』と。
(そうか!この人たちはプレカット材とかじゃないから、材木も一から造るんだ!)
現場で当然のようにプレーナーを使う大工さん達。
いや~~~~~~ぁ!うちの大工さんもいい腕していますが、そこまでか~~~~~ぁ!!!
参りました。m(__)m
この後もいろいろな技術を見せつけられるのでした。
その話はまた次回。
因みにこの写真でプレーナー掛けている材木はなんでしょうか?
答えは次回のお楽しみ。