東京都羽村市

インテリデザインの勉強をしていた時代に恩師によく言われた言葉がある。
『1本200円の缶コーヒーを売れるのは、よくできたテーマパークだけである。』
要は、スーパーマーケットでは高級ブランド品は売れないが、百貨店ではそれが可能であるという話。
一般的に高いモノを売ろうとするときは高いなりの空間を必要とする。これは人の購買感覚によるものだ。
では高いという定義は、何百、何千万円もする不動産や、車などはもちろん高い買い物である。これは当然に該当する。
別の感覚として通常1本¥100という感覚の『大根』が¥300-すると人は高く感じる。
高く感じたモノに通常購買意欲は沸かない。
但しそこに価値が不可されていて、購入者が納得できるモノであれば購買に結び付く。
商売は安いモノをたくさん売って薄利で仕事をするか?
高付加価値な商品を、少量売って利益を得るか?
これは店主の考え方に左右する。しかし、百貨店で¥100円の『大根』は売れないか?と問われると売れる可能性は非常に高い。なぜならそこに信用があるからだ。
しっかりとした空間を作れば、しっかりと物が売れる。
私は店舗デザインとはそういうものだと考えている。

こちらのラーメン店は『煮干し系ラーメン』である。
その煮干し=和なイメージを伝える為、ファサードはアルミの縦格子で表現した。
予算の問題もあり、既存の焼き杉板を解体せず上に、シルバーの生地色の格子を設置することで、コントラストを出すデザインとした。木目の格子より存在感が表現できると考えた。
内装は、ラーメンも店主の思いやこだわりを表現した食べ物だと考え、創作料理店のイメージでデザインした。
通常、単価¥500~700くらいのラーメンが、¥1,000以上でも価値を感じて顧客が付くようなラーメン店をデザインするように努めた。
地域で有名なラーメン店になってくれると信じている。



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