福生市

整体院、整骨院では基本的には高低差が無い方が良いと思われる。
足腰に痛みのある患者様の為の院であることを考えると自然なことだと思う。
できりばバリアフリーであることが望ましいと考える。
しかし、障害があることがすべてNGであるとも言いかねる。
高低差があることでリハビリに使えたりすることもある。
今回はそういったテナントのデザインを依頼された。

ゼロプラス整体院様は『一本歯下駄』を使用したトレーニングも行う整体院である。
施術のみならず、リハビリやトレーニングを行うことでより自身の持つ身体パフォーマンスを出すことを目的とされている。

受付カウンター前は広め待合スペースとなっている。ゆとりを持たせることで、来院された患者様の気持ちもリラックスできると考え、施術スペースの充実と同等の価値を与えたいと考えデザインしている。

階段をただの障害物と考えるのではなく、空間の個性と捉えその個性を生かすデザインを検討した。
結果、『一本歯下駄』の展示スペースとして見せる方法を考えた。
楽しみながら昇降できれば、ただの障害ではなくなるという考え方に元ずく。
更に、下駄の魅力を伝えることもでき、物販に一役を買うものと考えた。





こちらは院内の大施術室である。真ん中の柱を中心にカーテンにより2部屋に分けることもできる。最長5M以上の距離を取れるため、野球肘などのリハビリのネットスローもできるような間取りとしている。
オーナーの方の考え方をデザインし形にすることが最も大切な仕事だと考えている。
当テナントは半地下物件で有る為、腰の高さまで建築の基礎があり、内部には段差ができている。
その段差を利用し下駄の展示をしている。





受付内部。お店のスタッフが使用する為あまり高低差を気にすることはないが、待合スペースや廊下から垣間見ることができる。
高低差がある空間な為、敬遠されがちであるが、とても豊かな表情をみせてくれる。
その個性をいかに魅力的に伝えることができるかが、今回のデザインのポイントとなった。


個室型施術室
個室にはプライベートが守られ特別感がある。
外界からの影響を遮断しラグジュアリー気分で施術を受けられるのも魅力である。
また、事業の形態によっては、『場所貸し』等もやりやすいので、他事業とのコラボレーションも可能である。



トイレ空間
シンプルに清潔感を演出している。

今まで多くの整骨院、整体院のデザインをさせて頂いているが、今回の様に決して逃れなれない障害のある物件は初めの挑戦であった。
今回は障害を障害とせず個性と捉えることでより差別化された空間ができると再確認できた物件であった。
私のデザインを理解し、ご協力いただけたオーナー様に感謝の一言である。
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