『匠』の業~伝統工法~

近年、世界において木造建築が見直されています。
2011年に スペインで完成した『メトロポール・パラソル』は世界最大級の木造建築です。
軽量で設計の自由度の高さがその理由の一つだと言えます。
多方面でコスト的な問題もコンクリート建築よりも優位にあるといわれます。
いま、欧米で盛んに言われている、「都市の木造化」は、木の加工技術が進歩し、強度や耐火性が格段に高まったことで可能性が広がりました。

我が国日本においては、世界に誇れる木造技術を有しています。
世界最古の木造建築といわれる『法隆寺』。
1300年もの間、奈良の地にあり続けています。

では、なぜ1300年もの長い間、倒壊もせずあり続けることができたのでしょうか?
1300年あり続けた『法隆寺』は1300年間一度も大きな地震を経験しなかったのでしょうか?
それは考えにくいことです。
むしろ被災しても倒壊しない構造であるという方が合理的だと思います。

近年、建築の世界では『耐震性』に重点をおき、地震に耐える構造を目指して来ました。ビスや金物で材木と材木をしっかり繋ぎ補強を行っています。大きな地震に被災した際に『想定外』という言葉が出て、さらなる補強を求めてきた経歴があります。
全く間違った考え方ではないとは思います。
しかし 結果想定を上回る震災で倒壊し甚大な被害に遭っています。
昔の大工は知っていたのです。
『人は自然には勝てない』事を。

それ故、『耐える建築』(耐震)ではなく、力を『受け流す建築』(免振)を創造してきたのだと思います。

ときに木を刻み、特殊な継手を持って組付けし強固かつしなやかな建築を創っています。
現在では『伝統工法』といわれる建築工法です。
構造計算だけに頼るのではなく、自然を知り、自然と共に生きようとする先祖の知恵だと思います。
こういった素晴らしい技術で建築する事でより良い建物を作ることができるますし、先祖が伝えてきた文化を後世に伝えることができるものだと私は信じています。

弊社 株式会社アーキライフ では『もの造りの魂』を大切にしたいと、現場だけでなく専門的に『伝統工法』を学校で学んだ本物の職人たちが『墨付け』『刻み』を行っております。
プレカットではできない複雑な継手・仕口を駆使して建築に向き合っております。
経済性優先の時代だからこそ、長く『使う=住む』住宅にこそ職人の魂が必要だと私たちは考えます。

『本物がわかるお客様と喜びを分かち合いたい』

それが弊社の思いです。 

『墨付け風景』
『墨つぼ』・『墨差し』・『差し金』をもって材木に『墨付け』を行います。
どのように柱・梁を組むと良いかを選定し丁寧に墨付けを行います。

『刻み』作業風景
機械で加工するプレカットと違い職人が1本1本丁寧に加工していきます。
加工の工程でその材料の硬さ・反り・節の有無などの固有の特徴を掴みその材料に合った加工を施します。
量産の工場加工ではできない職人の仕事です。

『美しく加工された材料』
『墨付け』・『刻み』加工を終え、組付けを待つ材木たち。
最近の「経済性=スピード」を求め緩く収まるプレカットとは違い、少し『窮屈なくらい』で加工されています。
その『窮屈さ』が建物をより強固なものにします。

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