『形あるものはいずれは崩れる』-現状を知る必要性-
建物の中で雨を凌ぐ最も重要な部分が屋根です。
現代の建物の屋根は、屋根瓦とその下にあるアスファルトルーフィングの防水性能によって雨の侵入を防いでおります。
屋根瓦は真夏の直射日光を受け、台風にさらされながら日々建物、住まう家族を守り続けています。
その下に施工されたアスファルトルーフィングは直接的に外の影響を受けることはあまりないですが、補助防水的な役目を担っているので、それ単体では長期的な性能は確保できません。
防水性能に一度トラブルが発生してしまうと、生物でない瓦は自己修復はできません。
ですので専門家による定期的な点検が必要になる部分でもあります。
台風時に他からの飛来物の衝突で瓦が破損した。とか、地震で瓦が落ちたなどといった目に見えるトラブルは直ぐに発見できます。
特に最近多く建築に使用されいている『スレート瓦』は素材自体の防水性能よりも、表面に塗装された『塗料』によって防水性能を保っております。
前述した通り、屋根は日々過酷な自然環境に晒されております。
特に日光に含まれる紫外線は防水性能を保つ為に不可欠な『塗料』を日々蝕んでいきます。
新築時には濃い色だった瓦が随分と白くなってきたなぁと感じられる方は要注意です。
上の写真は塗装工事前の状態です。お施主様のお話では新築当時は『ダークブラウン』だったそうです。築13年でその影もありません。
当然防水性能もなく雨が降ると瓦が、雨水を吸いベットっとしていました。
こうなってしまうと北側や、日当たりのよくない箇所はいつまでも水を吸った状態が続き、『苔』が生えてきます。
見栄えも良くないのですが、問題はその『根』にあります。
『根』が瓦本体の中に食い込んでいき、破損する恐れがあります。これを『根害』と呼んでいます。
植物の根は我々が想像しているずっと強く、時にはコンクリートをも破壊してしまいます。
瓦屋根は雨の流れを考え下から順に重ね代(かさねしろ)を十分にとって一段づつ順に設置していきます。
万一根害により、一番下の瓦が破損した場合、本来であれば全部張り替えなければ、上下の繋がりが上手くいかず元の屋根の性能には戻らないということです。
(こういった場合、流石に全面張替では経済的な負担が大きくなる為、お客様にはご説明を差し上げ、支障がない程度の補修をさせていただいております。)
ですので、定期的な点検をおススメしております。(目安8~10年)
『タダより高いものはない』-ホームインスペクション=住宅診断のススメ‐
屋根に上って屋根の状態を確認し正確に対処する必要があります。過去には家主に言って屋根に上り、わざと瓦を割って、修繕の必要があるなどと言って必要もない工事をやり高額な請求をされ、トラブルになったケースがたくさんありました。
確かにだます気で、『タダで点検します』などとやっているので、『点検=営業』した人件費を回収するために、当然仕事にしなければならなくなります。
仕事にするために、問題ないものをわざわざ壊して仕事にするのも、詐欺行為で『惡』だとは思いますが、現実的、経済的にはないことではないと私は思います。
ですので弊社では有資格者による『ホームインスペクション=住宅診断』サービスを行っております。
このサービスは有償です。
有償にすることで『嘘』や『詐欺』をしなくとも仕事になります。
問題なければそれでよし、必要であれば工事をおススメするといった具合です。
しかも、調書を作成致しますので、それを持ってセカンドオピニオンや他社に工事を依頼する事可能になります。
毎日使っている『家』ですが、大抵の方はご自宅の状況は把握されていないのが現状ではないでしょうか?
まさに『空気のような存在』。=この感覚は大切だと思います。
住まいだけでなく、『日々安心して暮らしたい』それは全ての人の願いではないでしょうか?
怯え不安をかかえながら日々を過ごすということは、決して幸せではないと思います。
家族が集う住まいを一度専門家による点検を受けて見られてはいかがでしょうか?
不安が消えるかもしれません。
ホームインスペクションお問合せ:株式会社アーキライフ 042-578-9563
最後に上塗りを施工し完成です。これでまたしばらくは、美観、防水性能ともに持つと思われます。
これで約8~10年は安心して使っていただけると思います。
因みに、屋根塗装工事は同じ建物で屋根拭き材が同じであれば、行う作業は同じです。
では、何故工事金額の違いが発生するのでしょうか?
それは塗料の材料費です。
今回のご依頼では約10年程度もつような仕様で施工するように承りました。
場合によっては、もっと長く(15年程度)持たせたいというご要望もあります。
その際は、塗料を変え高耐久のものを使用したします。
長持ちする物は良い物=良い物は高価。
木造建築の寿命を30年のスパンで見ると10年だと3回。15年だと2回の塗り替えが必要になります。
建物の構造にも依りますが、長期的に考えるのであれば、足場工事や、下塗りの手間が減る分、良い塗料の方が確実に安くなります。
但し、この検討には次の点を考慮する必要があります。
1.木造建築の対応年数=25年~35年(構造体の問題)
2.新築から10年は塗り替えなくとよい。(10年後の対応残存年数15年~25年)
こう考える1回若しくは2回くらいしか塗り替えることがないということになります。
結果として、住まわれる方の価値観の問題になります。
弊社では、こちらから良い商品を押し売りするのではなく、まずはこの先、住まわれる方がどのようにお考えかをヒアリングし施工方法、施工材料をご提案しております。
工務店よがりのオーバースペックでは、住い手の意図は伝わりません。
安くはない費用の掛かる工事ですのでより、プロとしてより住む方に近い立場で施工できればといつも考えております。