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耐久性の向上:ホウ酸水処理=防腐防蟻処理(日野市新井6号棟自社建売分譲住宅)

木造建築にはたくさんの長所がありますが、『木は腐る』『シロアリに食われる』というとても大きな弱点があります。

その為、建築基準法施行令第49条2項で
『構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から一メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない。』と規定されています。

要するに、木造建築を行う際には、最低でも柱、筋交い、土台のうち地盤面から1M以内の部分には防腐及び防蟻処理をおこないなさいという内容です。

家を支える構造部が腐ったり、シロアリに食われない様にすればとりあえずOKという内容です。

極論、たとえば1階リビングの床が腐っても、構造耐力上主要な部分でないのでOK!さらに進んで1階リビングの床が腐って抜けそうでも・・・?

建築基準法第一章 総則(目的)第一条では

『この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。』

建築基準法に規定されているのは建築を行う上での『最低の基準』です。

色々な考え方があるので何とも言えないですが、建築物には個人的には『住まわれる方の生命及び財産を守る』という責任がありますので、基準をクリアしたら全てOKという訳ではないと弊社では考えております。

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今回は『防腐防蟻剤』について少しお話します。

上の写真は一般的な防腐防蟻材の仕様書となります。敢えて商品名は出しませんが、一般品とは違い高価な商品です。

注目して頂きたいのは、

『優れた防蟻防腐性能』の2段目『●白ありなどの木材害虫に対して、接触毒及び食毒の殺虫作用を示します。』

『高い安全性』1段目『●①人畜に対しては低毒性であり、白アリに対しては大きな殺蟻力があります。』

3段目『●有効成分は水稲・果樹・野菜等の②農薬として広く使用されている③殺虫薬です。』

とあります。

人や動物に対しては、少しの毒性がある農薬で殺虫剤です。』といっています。

①低毒性:どの程度の低毒性があるかは不明なのでここではパスします。

②農薬:住まいに農薬・・・。建築は国土交通省、農薬は農林水産省の管轄です。

建築は数十年使用します。農作物は数カ月で収穫し、食事を通して人体に入れます。本当に同じで良いのでしょうか?

③殺虫薬:欲しいのは殺虫剤(性能)ではなく、防蟻剤(性能)では?

 有効期間は約5年。

野菜や果物に使用する農薬が5年も効果があるとすると、人体に影響ないのでしょうか?

影響があるので、塗布したときは『ガツン』と効いて、直ぐに効果は薄れるように調整されているようです。

まさに『殺虫剤』ですね。塗布したとき(建築中)には効果がありますが、引き渡した後は・・・。

因みに、欧米では日本で一般的に使用されている防蟻剤(合成殺虫剤)の使用を禁じております。

なぜ、日本では・・・。

弊社の建物にお住まいのお客様が安心して永く暮らしていただけるか?がとても気になりました。

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そこで弊社のフラグシップ『ドムス=Domus』シリーズではホウ酸水処理という防腐防蟻処理を採用しております。

ホウ酸と聞くと

『ホウ酸だんご』=ゴキブリ死滅

⇒ あのゴキブリが死滅 ⇒ 人体にも影響がありそう = 危ない

と思われた方もおられると思います。私もそうでした。

(先にお伝えしますが、白アリは蟻ではなく、ゴキブリの仲間です。)

しかし、ホウ酸は子供たちが大好きなドロドロした『スライム』や『目薬』にも入ってると聞くと『おっ!』と思いませんか?私は思った一人です。

実はホウ酸は石と同じ鉱物です。ホウ酸は鉱物ですので、有効期間は半永久的です。石がなくならないの同じです。

ホウ酸は腎臓を持たない生物に対して、「代謝」をストップさせることで殺虫剤としての機能を果たします。私たち人間を含む多くの哺乳類は腎臓を持っています。腎臓で解毒されるため無害ですが、腎臓を持たない昆虫などには致命的です。

ホウ酸は害虫の体内に入らなければ殺虫剤としての働きをしません。このような薬剤を「食毒」といいますが、代謝という細胞の基本的な働きと関係しているため、合成殺虫剤のように耐性(慣れ)をもたれることがないのも特徴です。

日本においてホウ酸を用いた薬剤が木材保存剤として認定されたのは2011年ですが、オーストラリアでは1930年代から利用され始め、欧米諸国などの海外ではホウ酸処理は当たり前に行われています。世界中で標準的に行われている木材劣化対策なのです。

そんなホウ酸にも弱点はあります。

<ホウ酸の弱点>
素晴らしい効果があるホウ酸ですが、鉱物ですので雨水で流れてしまうという弱点があります。また、適切な濃度でしっかりと木材に含浸させなければ、効果を発揮することが出来ません。雨対策を含む正しい方法でホウ酸処理を行ってこそ、本来の効果を発揮するのです。

青というか・・・。みどりというか・・・。

ハッキリ言って見ため的にはあまり気持ちの良いモノではありません。

効能は間違いないのでおススメしております。

 

株式会社アーキライフはDomusを通して、

住まわれる方に『ずっと続く安心』をお届けしたいと考えております。