青梅市野上町軒先切り詰め工事(屋根工事)
今日も12月と思えない陽気の朝。
青梅市野上町の軒先切り詰め工事をおこなって参りました。
昔は、色々な意味で『ゆるく』、悪く言うと『なぁなぁ』の部分が沢山ありました。
私自身はこの『ゆるさ』は嫌いではないのですが、今のご時勢はかなり『厳しい』部分が増えております。
不動産の業界もすごく『厳しく』なっています。逆に言えば『安全な取引』ができるようになっているのです。
今回の現場の事情は、隣地にお住いだった方がある建売業者に土地を売却されました。
売却されたその土地に、空中で軒が入っているのは知っていましたが、昔から隣地のヨシミで「許されて」いました。
しかしその土地を購入した建売業者にとってはただの『越境物』なのです。
当然のことながら、自身の所有地に他人のモノが入っていることは許されないです。
そこで、建売業者の方から『越境物の撤去』をお願いされました。
今まであった近隣関係はここには存在しなくなったのです。
そこで、弊社の方に軒先の切り詰め工事のご依頼頂くこととなりました。
まずは、どの程度越境しているか確認し垂木を詰め(切って)ていきます。
今回は25センチ詰めました。
築40年を超える建物は構造材の強度は著しく減っていて歩く場所を間違えると落下の危険があるので慎重に屋根の上を歩いています。正直震えます。
屋根材の波板に『墨出し』して、ベビーサンダーで切っていきます。
この時、『雨仕舞い』を検討せずに上から構わず『丸鋸』で切り詰めてしまう安い業者もいますが、それでは後に垂木が腐ったり取り返しがつかない状況になります。そういう業者には注意ください。
屋根材の切り詰めが終わると屋根の高さ調整と今後のことを考えて『広小舞』を設置しました。
これも一手間ですが、この収まりにするだけで、建物の寿命も増えます。
次に『鼻隠し』を設置しています。地域によってはこちらも『破風』と呼び『鼻隠し』と区別しない地域もあるようです。
因みに私は大阪でインテリアの勉強をしている時に妻側は『破風』、軒側は『鼻隠し』と教えられたので区別しています。
雨樋の受け金物を設置しています。元々ついていたものは古いもので強度がほとんどありませんでした。
最後に、雨樋を設置して終了です。
軒が短くなってスッキリはしました。
しかし、本当は軒がある方が建物にとっては良いのです。
最近の建物は見栄え優先で軒が極端に短いモノが多いですが漏水の事故の原因になります。
見栄え優先で建物の寿命を短くしたのでは『本末転倒』です。
デザインは見栄えだけでなくそういった細部まで検討し、フォルムを考えることだと私は考えています。
長い間先人が作り上げてきたフォルムには必ず意味があります。
私の『建築人生=アーキライフ』はそれを理解し自分の表現にプラスすることができるよう日々勉強させて頂いております。