災害によるリフォーム工事(青梅市今井リフォーム工事)
久しぶりの投稿です。
先日、日本を襲った台風9号。
近年ではないほどの雨量でいたるところで冠水となりました。
私たちの住む西多摩地域も例外ではありませんでした。
私も現場から車で帰る途中、冠水した道路で危うく車が止まるところまで来ました。
改めて雨のコワさを思い知らされた出来事でした。
『床上浸水』
そんな中数年前に中古住宅を購入され、弊社でリフォーム工事を承りました青梅市お客様からご連絡を頂きました。
大雨の為、床上まで浸水してしまった。どうしたらよいか?とのことでした。
急いで水中ポンプを担いで現場に伺うと、すでに水は引いていましたが、基礎内部は水が溜まっていました。
基礎内部の水を水中ポンプで吸出し、残りは手作業で掻き出し・・・。
それはそれは重労働です。ある程度まで水位がさがると、ウエスやスポンジでふき取りました。
翌日にはボランティアといわれる人たちが来てくれ作業を手伝ってくれたそうです。
『基礎にコア抜き?』
余談ですが・・・。
ボランティアの方に中に『基礎に穴を開け排水した方がよい。業者を紹介します』と仰った方居られたようです。
水を抜くことも大切ですが、基礎に穴を開けて中の鉄筋を破断した場合どうするのか?
普通建築を行っている者からすると鉄筋コンクリートに穴を開けるという行為(以下、コア抜き)は、最終手段で余程慎重に行わないといけない作業です。鉄筋コンクリート(英=reinforced concrete)は文字通り『鉄筋』を用いて補強された『コンクリート』です。鉄筋とコンクリートがお互いの弱点を補完し合って成立しています。
コア抜きを行い鉄筋を切ってしまうと、鉄筋コンクリートの意味がなくなります。
なにを考えておられることやら・・・。
『水災保険』
住宅を購入する際は住宅ローンを利用する事が一般的です。銀行から『お金を借りて家を買う』訳です。家にも銀行の抵当権が設定されます。銀行がその権利を守るため、家に対する保険を掛けます。
「火災保険」です。
火災保険には色々な特約が付加されています。火事だけでなく家に関する色々なトラブルに対応してくれる可能性がありますので何かあるときは一度保険屋さんにご相談されると良いでしょう。
今回もどうにか保険で直すことができることになりました。
しかし、この保険がかなりの曲者。
累計で物件の評価額分(例えば1000万円)しか保険金が出ないというモノです。
一見、1000万円も出れば良いと思うかも知れません。但し『累計』な訳です。
今回仮に500万円の工事となった場合、1000万円-500万円=500万円となる訳です。
次にもう一度同じ被害に遭った場合、残った500万円で修理することになります。
更にもう一度来た場合は・・・。
そんなこと在りえないと思われるかもしれませんが、30年以上のローンの期間中に絶対ないとは言い切れませんよね。
既に一度来てしまったのですから。
『水災に強いリフォームの提案』
火災保険のあり方により、今回はできるだけ『水に強い』リフォームをご提案させて頂きました。
弊社では、色々なリフォーム工事を行って来ております。その中で住宅でよく使用される断熱材(グラスウール)は非常に水を吸い、更に一度吸い上げると乾きにくいということを経験しております。
それにより構造体にカビが生えたり、最悪のケースは柱や梁、筋交いなどが腐ったり構造用の金物が腐食しているモノも、拝見したことがあります。
決して安いものではない不動産。
如何に安全かつ快適に過ごせるかがキーワードです。
水を被ったキッチンや家具の木部は水を吸ってブヨブヨになります。
今回は水に強い、ステンレスキッチン、断熱材はスタイロフォームなど次に同じ被害に遭っても今回ほどの費用負担が出ないようなリフォーム提案をさせて頂きました。
私が思うリフォームとはそういうモノなのです。