ナチュラルモダンな整骨院(いきげん整骨院) 大工工事・電気工事
置床工法はマンションなどによく採用される工法で、脚付きのパーティクルボード(木質版)を床面に敷き詰めその上にフローリングを張って仕上げるという工法です。
長所は遮音性が高い。今回の場合は1階部なので関係ありませんが・・・。
床をコンクリートのスラブ(床)から離し、空気層を設けることで、コンクリートから伝わる冷気を緩和できます。
木質の床下地となるので通常のフローリングが使用できるようになり材料費が多少減ります。
コンクリートとの間に隙間ができるので、コンクリートを左官等で均す必要がなくなり、これもコストダウンになります。
床下の配線、配管関係が可能になり給排水やコンセントなどの設備が施工しやすく、かなりの自由度が確保できます。
反対に短所としては、施工の日数が多少増える。
通常木造の大工さんでは扱いにくい材料で作業効率が落ちる。
今回の最大の欠点となったのは『段差ができる』です。
本来であれば整骨院などの店舗では『段差』はご法度です。
足腰が痛いと来られる患者様に『段差』は『酷な話』です。しかし今回いろいろな諸事情を検討し『置床』にしました。
上の写真は天井裏から出てきた配線もされずに、『隠ぺい』された配線の一部です。
以前のリフォーム時に、撤去することが面倒だったのか天井裏に放置されていました。配線などは火災の原因にもなるので、工事業者がプロとして慎重に扱うべきものだと私は考えています。
これは飲食店であったときの看板です。
この看板を目印に人が集まり、賑わっていたのです。
以前、京都でデザインをさせて貰ったお店のオーナーに教えてもらいました。
『お客さんはその記憶に安心感を持つ』と。
全く業態は変わりますが、その『記憶』に安心感を持ってもらいたいです。
少しでもその思いが継承されることを願って丁寧に分解し、オーナー様にお渡しすることとしました。
工事業者からいえば、年間何件もこなす中の一つの案件かもしれません。
でもそれでは、私にとってあまりのも悲しすぎます。
一生懸命お施主様を思い、デザインし、設計を上げ、職人仲間を集め、やっと着工できたのです。
ただ、『モノを作る』のではなく、『魂の宿る空間を創る』そういう思いで日々仕事をさせて頂いています。