Blog 日々彩色建美

ブログ

木造耐火建築新築工事(昭島市昭和町N様邸)基礎工事Vol.02

前回、基礎工事Vol.1で基礎建造し始めました。 今回はその続きとなります。 前回の記事で基礎の鉄筋を組み上げ、第三者機関による配筋検査が終了したところまで書かせて頂いたとおもいます。 今回は一般的に『これぞ基礎工事』っという、代名詞的な『コンクリート打設』を行いました。 こちらの工事では、大型の重機が必要となります。 コンクリート工場から生コンを現場まで運んできてくれる『ミキサー車』とそのミキサー車から降ろした生コンを現場で打設するための『ポンプ車』が必要となります。 現場の敷地にゆとりがあれば別ですが、敷地に対して目一杯大きく建物を創ろうとすると、敷地内に納まり切らず、前面の道路に駐車しての工事となります。 その為あらかじめ警察より『道路使用許可』を得て工事を行うことになります。 因みにこの『コンクリート打設工事』は2日に分けて行います。 最初に日に『基礎耐圧盤』を施工します。現在の木造建築はほとんどの場合が『ベタ基礎』です。その為、先行して平らな床面を建造し、次に『立上り』を打つという段取りを取っています。 一度に打設できればいいのですが、一緒に行うと立上りを打った時にコンクリートが自重で下がってしまいますし、『立上り』を打つために必要な『型枠』を建てる場所が硬化していないので『型枠』を建てることもできないのです。
20150827_134701
20150827_133330
20150827_134709
20150827_134740

作業前の現場の様子です。警備会社に依頼して警備員を2名配置し通行される方の安全を確保しながらの工事となります。

写真に写っているのは、コンクリートを作業場所まで『圧送』する『ポンプ車』と『ミキサー車』です。

ミキサー車からポンプ車に生コンを移し替え、コンクリート工事を行います。

画像

準備が整いました。

いざコンクリート打設。

勢いよく『圧送管』先端から生コンが流れ込んでいきます。生コンの重量+圧送管の重さで相当重いです。作業をしてくれている職人さんも大汗をかきながら打設してくれていました。

画像

1台の『ミキサー車』は3.5㎥の生コンを現場に運んできてくれます。今回の現場では約6台必要になります。

生コンを打ちながらミキサー車の入れ替えをする間に土間の表面を、金ゴテで馴らしてくれています。

画像

ガンガン進んでいきます。慣れた職人さんたちはやっぱりすごですね。

生コンを流しながら、鉄筋との鉄筋の間にもコンクリートが入るように『バイブレーション=振動』を与えながら進んでいきます。

この『バイブレーション』も長時間同じ位置でかけ続けると、コンクリートの含有物分かれ硬化不良になってしまいますので適度が大切です。

画像

ようやく『耐圧盤打設』が完了しました。これで1日目の工事は終了。お疲れさまでした。

この後、しばらく養生して立上りの型枠を設置します。

画像

そして2日目。『耐圧盤』の上に設置された型枠の中に、生コンを流し込んでいきます。

現在の木造の基礎工事で使用する『型枠』は大半が金属製です。木製の型枠と比べ精度、強度ともに高くより良い基礎の建造に一役買っています。

型枠の中はこんな感じになっています。以前配筋した鉄筋と次の工程で出てくる『土台』と緊結する『アンカーボルト』、さらに『柱』と緊結する『ホールダウン金物』も設置されています。いまではこういった金物を固定する専用に治具まであり、かなり精度の高い仕事ができるようになってきています。

画像

『基礎立上り』は通常35㎝くらいの高さまで打ちます。『耐圧盤』とは違い生コンの量が少ないので、職人さんたちの今回ばかりは『ガンガン』とは行けず、慎重に作業をおこなっています。

作業前に既定の高さに目印を付けて溢れないように、慎重に、慎重に・・・。

 

20150831_091541
20150831_084321
20150831_092350
画像

時折、型枠の状態を見ながら補強を入れてくれています。こういう少しの気遣いがいいモノを創ります。

こうやって建築は、多くの職人さんたちのてによって創られていくのです。

職人さんの良し悪しが建築の『出来不出来』を左右します。見た目は変わらないかもしれません。

しかし、長く住む間にその違いが出てくると私は思っています。

職人は技術だけではなく『心意気』だと思います。

安い建物では、当然職人さんの給料は安いです。だから、数をこなすしかないのです。そこに『心意気』は生まれません。

私はいつも思います。

長年住む家だからこそ、職人の『魂の宿った』家に住みたい

と。