府中市宮西町 狭小地での木造耐火建築
府中市宮西町木造耐火建築新築工事現場では大工工事が終了し仕上げ工事の段階に入って来ました。
浴室は最近の建築では、コスト・性能・メンテナンス性において現場でユニットバス(=以下、UB)を組み立てることが非常に多いです。
弊社の標準仕様においてもTOTO社製のUBを使用しています。
過去に一度、芸能人の方の別荘の建築に携わったときには、天然石のタイル張りの浴室を作ったこともありますが、コストが係るためなかなか経験できるモノではないです。
今回の現場では、UBでは対応できない形状の浴室である上に、設計事務所さんの指定により、一から現場で作ることになりました。
べニア板とケイ酸カルシウム板で下地を組み、その上にFRP(強化プラスチック)で防水をするといった物です。
まさに『これぞモノ創り』です。
最近の建築は『注文建築』といっても名ばかりで○○社製の設備や▲▲社製の建具など、既製品を組み合わせて作ることが主流となっています。
これにはコストの問題が非常に大きいです。やはり一品モノになってしまいますので、量産品よりは金額的に掛かってしまうのは仕方のないことだと思います。
私も美大卒の人間として『モノ造り』を目指しておりますが、私だけの意思でできるものではないのです。
一品モノですので、当然施工マニュアルなどもなければ、取り扱い説明書もありません。
誰かが図面を画き収まりを指示して作って貰わなければできないのです。
そこには見えない苦労と、職人の業が隠されているのでした。
因みに、この写真は耐火建築において標準仕様となっている『ファイバーテープ』という補強材料です。
ボードの継ぎ目に全て施工し、万が一の火災の際に火が掛かったとしてもボードが開かないように補強しているのです。
一般的な建築と違いこういった細かい部分が、木造耐火建築においては多々発生致します。
木造耐火建築は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べ、ローコストで建築することが可能ですが、免許を持っておられる工務店さんでも経験がなければ見積りすらまともにできないのが現状なんです。
まだ工事は完了といきませんが、忘れかけていた純粋に『モノを創る』という感覚を呼び覚ます機会を下さった、設計事務所の先生、お施主様にはほんとに感謝しています。
これが 株式会社アーキライフ のモノ創りであり、私の目指すところであると再認識させて頂いております。